反応式での係数比を計算のときに逆にかけてしまう人は・・・・
「化学反応式の係数比を使っての計算問題を解くときに、
自分で立てた式と解答の式とでは、係数比が逆になっているんです。
この間違いってどうなっているのですか?」
というような趣旨の質問を生徒たちからよく受けます。
文章で書くとややこしいのでシンプルな例題を記しますね。
2 KMnO
4 + 5 H
2O
2 → ・・・(※)
と続く化学反応式が与えられたとします。
この反応において0.02mol の過マンガン酸カリウム KMnO4 と
過不足なく反応する過酸化水素H
2O
2の物質量は何molでしょうか?
という問題について、求める物質量を A mol とすると、解答は
5 × 0.02 = 2 × A
を解くことになるのですが、( 答えは 0.05 mol )
質問を持ってくる生徒たちは、反応式を見ながら、ついつい、
2 × 0.02 = 5 × A
という式を立ててしまうという事なんですね。
ずいぶん実力のある生徒でも、たまにこの質問を持ってきたりします。
この勘違いは、化学反応式の表示本来の意味を、
問題を解いているときにだけ、ふっと忘れてしまっているだけです。
ドンマイ!
化学反応式の係数の意味は
後に続く物質の化学式に掛け算するという意味ではなく、
それぞれの物質が何対何の物質量で反応するのか・・・という意味です。
つまり、上記の(※)式であれば、
KMnO
4 : H
2O
2 = 2 : 5 の物質量で反応します
・・・という意味ですから
この比例式を方程式化すると
5×KMnO
4 = 2×H
2O
2
という式になりますね。
反応式を見ながら左から順についつい
2 × KMnO
4 = 5 × H
2O
2
と式を立ててしまうことが、勘違いしている所ということです。
いきなり方程式化せずに比例式の形でたった一行のメモを残すようにすると
ミスを防ぐことができますよ。
それでは今回はこの辺で。頑張れ受験生!!