2018年06月23日
気体の乾燥剤について
高校化学の教科書は、湿った気体を乾燥させる時に用いる
「気体の乾燥剤」について、その情報が探しにくいと思います。
濃硫酸や、十酸化四リン等、吸湿作用のある物質それぞれの情報は
掲載されているものの、無機物質の単元で同じ元素を含む物質を
区切って紹介しているため、乾燥剤の種類や使い方を一度に整頓し、
理解できるまとめ方になっていないのです。
そこで今回は、複数ある気体の乾燥剤を、
センター試験によく出るものに絞ってまとめてみようと思います。
まず、気体を乾燥するというイメージですが、
「湿った気体」とは、ある気体が水蒸気(H2Oの気体)を含んだ状態、
つまり水蒸気との混合気体となっているということです。
それを乾燥させるということは
乾燥剤の中を通過させ、水蒸気だけを乾燥剤に捕まえてもらって
目的の気体だけを素通りさせて、それを捕集する。という事です。
ただし、乾燥剤には「酸性乾燥剤」、「中性乾燥剤」、「塩基性乾燥剤」、と
種類があります。また、乾燥させたい気体の方にも、「酸性の気体」や
「中性の気体」、「塩基性の気体」があります。
そのため、乾燥させたい気体とその乾燥剤の組み合わせを間違うと、
目的の気体が乾燥剤と反応してしまい、うまく素通りできずに、
水蒸気とともに乾燥剤に捕まってしまう事があるのです。
よって、どの気体をどの乾燥剤で乾燥させるべきかを判断するには、
気体自身が酸性、塩基性、中性、どの性質なのか、
乾燥剤が、酸性乾燥剤、中性乾燥剤、塩基性乾燥剤のいずれなのかを
どちらも暗記しておく必要があるということです。
まずは、覚えておきたい気体の情報です。
酸性の気体:HCl,Cl2,NO2,SO2,CO2,H2S・・・6種。
塩基性の気体:NH3・・・1種
中性の気体:・・・上記以外のすべての気体
(このまとめ方は、かなり大雑把ですが、センター試験への対策としては、これくらいで良いです。)
次に、乾燥剤の情報です。
まず覚えるべきは以下の8種の乾燥剤です。
酸性乾燥剤:濃硫酸H2SO4(液),十酸化四リンP4O10(固),シリカゲルSiO2(固)・・・3種
中性乾燥剤:塩化カルシウムCaCl2(固)・・・1種
塩基性乾燥剤:水酸化ナトリウムNaOH(固),水酸化カリウムKOH(固),
生石灰CaO(固),ソーダ石灰(NaOH(固)とCaO(固)の混合物)・・・4種
それでは、その利用方法について。
「酸性乾燥剤」は、酸性もしくは中性の気体を乾燥させるために用います。
塩基性の気体を乾燥させようとしても、中和反応を起こしてしまうのでNGです。
ただし、酸性の気体の中で硫化水素H2Sだけは、濃硫酸以外の酸性乾燥剤を
用いて乾燥させます。その理由は硫化水素が還元剤、
濃硫酸が酸化剤として働き、酸化還元反応を起こしてしまうためです。
「中性乾燥剤」として紹介したCaCl2は、中性であるので、酸性、中性、塩基性、
どの気体も反応せずに素通りさせ、水蒸気のみを吸収できそうなものですが、
アンモニアNH3とは特殊な反応(付加反応)を起こしてしまいます。
よってアンモニア以外の気体の乾燥に用います。
「塩基性乾燥剤」は、塩基性もしくは中性の気体を乾燥させるために用います。
もし、酸性の気体に利用すると、中和反応を起こしてしまうのでNGです。
・・・以上、センター試験で用いる気体の乾燥剤の知識です。
今回出てきた気体と、乾燥剤とが、しっかり頭に入れば
色々な問題に対応できると思います。
それでは今回はこの辺で。頑張れ受験生!
「気体の乾燥剤」について、その情報が探しにくいと思います。
濃硫酸や、十酸化四リン等、吸湿作用のある物質それぞれの情報は
掲載されているものの、無機物質の単元で同じ元素を含む物質を
区切って紹介しているため、乾燥剤の種類や使い方を一度に整頓し、
理解できるまとめ方になっていないのです。
そこで今回は、複数ある気体の乾燥剤を、
センター試験によく出るものに絞ってまとめてみようと思います。
まず、気体を乾燥するというイメージですが、
「湿った気体」とは、ある気体が水蒸気(H2Oの気体)を含んだ状態、
つまり水蒸気との混合気体となっているということです。
それを乾燥させるということは
乾燥剤の中を通過させ、水蒸気だけを乾燥剤に捕まえてもらって
目的の気体だけを素通りさせて、それを捕集する。という事です。
ただし、乾燥剤には「酸性乾燥剤」、「中性乾燥剤」、「塩基性乾燥剤」、と
種類があります。また、乾燥させたい気体の方にも、「酸性の気体」や
「中性の気体」、「塩基性の気体」があります。
そのため、乾燥させたい気体とその乾燥剤の組み合わせを間違うと、
目的の気体が乾燥剤と反応してしまい、うまく素通りできずに、
水蒸気とともに乾燥剤に捕まってしまう事があるのです。
よって、どの気体をどの乾燥剤で乾燥させるべきかを判断するには、
気体自身が酸性、塩基性、中性、どの性質なのか、
乾燥剤が、酸性乾燥剤、中性乾燥剤、塩基性乾燥剤のいずれなのかを
どちらも暗記しておく必要があるということです。
まずは、覚えておきたい気体の情報です。
酸性の気体:HCl,Cl2,NO2,SO2,CO2,H2S・・・6種。
塩基性の気体:NH3・・・1種
中性の気体:・・・上記以外のすべての気体
(このまとめ方は、かなり大雑把ですが、センター試験への対策としては、これくらいで良いです。)
次に、乾燥剤の情報です。
まず覚えるべきは以下の8種の乾燥剤です。
酸性乾燥剤:濃硫酸H2SO4(液),十酸化四リンP4O10(固),シリカゲルSiO2(固)・・・3種
中性乾燥剤:塩化カルシウムCaCl2(固)・・・1種
塩基性乾燥剤:水酸化ナトリウムNaOH(固),水酸化カリウムKOH(固),
生石灰CaO(固),ソーダ石灰(NaOH(固)とCaO(固)の混合物)・・・4種
それでは、その利用方法について。
「酸性乾燥剤」は、酸性もしくは中性の気体を乾燥させるために用います。
塩基性の気体を乾燥させようとしても、中和反応を起こしてしまうのでNGです。
ただし、酸性の気体の中で硫化水素H2Sだけは、濃硫酸以外の酸性乾燥剤を
用いて乾燥させます。その理由は硫化水素が還元剤、
濃硫酸が酸化剤として働き、酸化還元反応を起こしてしまうためです。
「中性乾燥剤」として紹介したCaCl2は、中性であるので、酸性、中性、塩基性、
どの気体も反応せずに素通りさせ、水蒸気のみを吸収できそうなものですが、
アンモニアNH3とは特殊な反応(付加反応)を起こしてしまいます。
よってアンモニア以外の気体の乾燥に用います。
「塩基性乾燥剤」は、塩基性もしくは中性の気体を乾燥させるために用います。
もし、酸性の気体に利用すると、中和反応を起こしてしまうのでNGです。
・・・以上、センター試験で用いる気体の乾燥剤の知識です。
今回出てきた気体と、乾燥剤とが、しっかり頭に入れば
色々な問題に対応できると思います。
それでは今回はこの辺で。頑張れ受験生!
Posted by ミーケン。 at 09:00│Comments(0)