2015年04月18日
ナトリウムの欠片を水へ投じると…
以前、教員採用試験を受けた仲間から、
次のような問題が出たが、どういう風に解答したら良かったんだろう?
と質問されたことがありました。
その問題とは以下のようなものでした。
問)次の実験描写を読んで起こっている現象を化学的に解説しなさい。
[実験描写]
「ナトリウムの欠片を水を張った水槽に投じると
ナトリウム片はパチパチ音を立て、少しずつ小さくなりながら、
水面を滑るようにくるくると動きまわった。
その後ある瞬間急に、角ばっていた形がきれいな球状に変化した。
さらに水面を滑っていたが、ナトリウムの球がかなり小さくなった時点で
ピョンピョンと水面から飛び跳ねるようになり、その後無くなった。」
さて、どういった風に解説文章を書けば良いでしょうか?
こういった問題の場合、その実験をしたことがなくても
これまで学習して身についている知識を用いて
解説してみなさい、と言われていると解釈しましょう。
ようするに、知っている化学の知識から
どうにか当てはまる事柄を探していくということです。
それでは解答を作るための知識を書き出していきましょう。
問題文章を切ってその現象を考えると、
①「ナトリウムが水に入れると小さくなりながら…」
の部分では『ナトリウムは水と反応して溶解している』とわかるし、
②「水面を滑るようにくるくると動きまわった。」
の部分からは『ナトリウムが水に浮く(密度が1g/㎝3 以下)』
という事実と、『水と反応した時に気体を発生し、
それに押されるように水面を滑っている』のだろうという想像ができます。
もちろん『ナトリウムなどのイオン化傾向の大きい金属は
常温の水と反応して水素を発生する』と言えるのがベストです。
③「ある瞬間に、急に角が取れてきれいな球状になった…」
との部分からは『固体が液体になった』のだろうと想像できます。
ここは少し難しいかとも思いますが、
『ナトリウムは融点が低いため水と反応して
発生する反応熱で融解して液体となり、表面張力で丸くなった』
ということですね。
④「ピョンピョンと水面から飛び跳ね…」
の部分は『小な球状となって水との接触部分が1点に限定
されたのでそこからのみ、水との反応による気体(水素)が発生し、
その発生気体が小さくなったナトリウムを跳ね上げるようになった。』
と思われます。
あとは①~④を自分なりの文章に組み合わせればOK。
ある現象を化学的に考察するには様々な知識が必要になりますが、
大学入試や採用試験などに出題されるのであれば
必ず高校化学で学んだ範囲内で答えに結びつくような現象を扱うはずです。
「問題として解いたことがないのでわからない」
「実験を実際にやったことがないのでわからない」
ということにならないよう、
常に教科書の範囲の理解をしっかりと自分のものにしておき、
持っている知識をどう使えば、答えにたどりつけるのかと
考えるようにしましょう。
そのためにも揺るがない基礎を身につけること。
それには理解しただけで終わるのではなく、
忘れる前に反復・復習して暗記していくことも大切。
さらに人に聞いたり伝えたりするといった、
理解・暗記を言葉にする作業もとても重要です。
小さな頃から学び続けてきた文字や数字を使った科目とは少し違い、
小学校高学年から隔年で少しずつ触ってきた化学が
短時間に馴染めないのは当たり前。
すぐに点数に結びつかないからと言ってそっぽを向かず、
気長にじっくりと復習・反復に努めてくださいね。
頑張って!受験生!!
次のような問題が出たが、どういう風に解答したら良かったんだろう?
と質問されたことがありました。
その問題とは以下のようなものでした。
問)次の実験描写を読んで起こっている現象を化学的に解説しなさい。
[実験描写]
「ナトリウムの欠片を水を張った水槽に投じると
ナトリウム片はパチパチ音を立て、少しずつ小さくなりながら、
水面を滑るようにくるくると動きまわった。
その後ある瞬間急に、角ばっていた形がきれいな球状に変化した。
さらに水面を滑っていたが、ナトリウムの球がかなり小さくなった時点で
ピョンピョンと水面から飛び跳ねるようになり、その後無くなった。」
さて、どういった風に解説文章を書けば良いでしょうか?
こういった問題の場合、その実験をしたことがなくても
これまで学習して身についている知識を用いて
解説してみなさい、と言われていると解釈しましょう。
ようするに、知っている化学の知識から
どうにか当てはまる事柄を探していくということです。
それでは解答を作るための知識を書き出していきましょう。
問題文章を切ってその現象を考えると、
①「ナトリウムが水に入れると小さくなりながら…」
の部分では『ナトリウムは水と反応して溶解している』とわかるし、
②「水面を滑るようにくるくると動きまわった。」
の部分からは『ナトリウムが水に浮く(密度が1g/㎝3 以下)』
という事実と、『水と反応した時に気体を発生し、
それに押されるように水面を滑っている』のだろうという想像ができます。
もちろん『ナトリウムなどのイオン化傾向の大きい金属は
常温の水と反応して水素を発生する』と言えるのがベストです。
③「ある瞬間に、急に角が取れてきれいな球状になった…」
との部分からは『固体が液体になった』のだろうと想像できます。
ここは少し難しいかとも思いますが、
『ナトリウムは融点が低いため水と反応して
発生する反応熱で融解して液体となり、表面張力で丸くなった』
ということですね。
④「ピョンピョンと水面から飛び跳ね…」
の部分は『小な球状となって水との接触部分が1点に限定
されたのでそこからのみ、水との反応による気体(水素)が発生し、
その発生気体が小さくなったナトリウムを跳ね上げるようになった。』
と思われます。
あとは①~④を自分なりの文章に組み合わせればOK。
ある現象を化学的に考察するには様々な知識が必要になりますが、
大学入試や採用試験などに出題されるのであれば
必ず高校化学で学んだ範囲内で答えに結びつくような現象を扱うはずです。
「問題として解いたことがないのでわからない」
「実験を実際にやったことがないのでわからない」
ということにならないよう、
常に教科書の範囲の理解をしっかりと自分のものにしておき、
持っている知識をどう使えば、答えにたどりつけるのかと
考えるようにしましょう。
そのためにも揺るがない基礎を身につけること。
それには理解しただけで終わるのではなく、
忘れる前に反復・復習して暗記していくことも大切。
さらに人に聞いたり伝えたりするといった、
理解・暗記を言葉にする作業もとても重要です。
小さな頃から学び続けてきた文字や数字を使った科目とは少し違い、
小学校高学年から隔年で少しずつ触ってきた化学が
短時間に馴染めないのは当たり前。
すぐに点数に結びつかないからと言ってそっぽを向かず、
気長にじっくりと復習・反復に努めてくださいね。
頑張って!受験生!!
Posted by ミーケン。 at 08:39│Comments(2)
│受験
この記事へのコメント
自分は、この実験をしたことがあります。とても動きが速かったのを覚えています。あっという間になくなりました。
Posted by Y良 at 2015年05月21日 19:41
実際に体験すると教科書だけで学習するよりも
頭に入りやすいですよね。
コメントありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
頭に入りやすいですよね。
コメントありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by ミーケン。 at 2015年05月22日 07:04