2015年12月31日

センター試験 正誤問題対策 その4

受験生のみなさん、頑張っていますか。
今日はもう大晦日。明日にはもう新年がやってきます。
センター試験までの残りわずかな時間は、
今できることを丁寧にやっていくのみ!

今回も正誤問題を10問出題します。
たくさん間違えても「勘違いが見つかってラッキー!」
1つも間違えなくても「よし、復習オッケー!」
というようにプラス思考を忘れないでください。

問題:以下の①~⑩までの文章の正誤を判断して〇かXで答えなさい。

① 銅に濃硫酸を加えて加熱すると水素を発生しながら溶解する。

② 鉄に濃硫酸を加えて加熱すると水素を発生しながら溶解する。

③ 鉛に希硫酸を加えると水素を発生しながら溶解する。

④ 硫黄の同素体の中で常温で最も安定なのは斜方硫黄である。

⑤ ダイヤモンドは共有結合性の結晶であり電気伝導性はないが熱伝導性はとても大きい。

⑥ 塩化アンモニウムはイオン結晶であるが結晶中には共有結合も含まれる。

⑦ サリチル酸に無水酢酸を作用させるとヒドロキシ基がアセチル化される。

⑧ サリチル酸にメタノールを作用させるとカルボキシ基がエステル化される。

⑨ サリチル酸メチルとアセチルサリチル酸とで炭酸水素ナトリウムと反応して気体が発生するのはアセチルサリチル酸である。

⑩ アニリンを亜硝酸ナトリウムと塩酸の存在下、60℃に保つとジアゾ化されて塩化ベンゼンジアゾニウムが生成する。


答え

①-X
水素ではなく二酸化窒素が発生します。銅や銀などの水素より
イオン化傾向が小さい金属は一般の酸には溶けません。
ただし酸化力の強い、濃硫酸・濃硝酸・希硝酸には溶解し、
それぞれ二酸化硫黄・二酸化窒素・一酸化窒素を発生します。

②-X
アルミニウム・鉄・ニッケルは通常の酸になら溶けて水素を発生しますが、
濃硝酸・濃硫酸には不動態となってしまうため溶解しません。

③-X
鉛は硝酸などには溶けて水素を発生するのですが、硫酸や塩酸には
表面が溶解しPb2+が発生すると同時に液中の陰イオンである
SO42‐やCl‐と反応して水に不溶な沈殿(PbSO4やPbCl)となるために
単体のPbの表面がその沈殿で覆われてしまうので溶解が滞ってしまいます。

④-〇
常温で安定な斜方硫黄から単斜硫黄への変化は加熱が必要ですが、
不安定な単斜硫黄から斜方硫黄への変化は加熱しなくとも起こります。

⑤-〇
金属結晶は電気伝導性と熱伝導性がともに大きめですが、
ダイヤモンドは共有結晶であり自由電子がないため電気伝導性はなく、
熱伝導性だけが高いと覚えちゃいましょう。

⑥-〇
アンモニウムイオンNH4+と塩化物イオンCl-とのイオン結晶ですが、
NH4+の内部はNとHとが共有結合しています。そのうち一つは
配位結合によるものですね。

⑦-〇
無水酢酸でアセチル化される官能基はヒドロキ基‐OHとアミノ基‐NH2と
覚えちゃいましょう。

⑧-〇
サリチル酸にアルコールを加えてエステル化すると
サリチル酸のカルボキシ基‐COOHとアルコールのヒドロキシ基-OH
の間から脱水・縮合し、エステル結合となります。

⑨-〇
「炭酸水素ナトリウムを加えて気体が発生」という表現は炭酸の塩が
炭酸より強い酸と反応して弱酸の遊離が起きたため、
水と二酸化炭素(あわせて炭酸)が発生したことを意味します。
サリチル酸メチルに存在するフェノール性のヒドロキシ基も酸ですが、
炭酸より弱い酸なのでここでは反応しません。よって弱酸ではあるけれど
炭酸よりは強い酸であるカルボキシ基を持つアセチルサリチル酸が
反応したということになります。

⑩-X
ジアゾ化は5℃以下に冷却しながらでないと上手く反応しません。
これは反応温度が問われる問題の一つですから思い出しておきましょう。
ちなみに塩化ベンゼンジアゾニウムの水溶液を加熱すると分解して
窒素と塩酸とフェノールが発生します。


…どうでしたか。引っかからずに確認作業ができたでしょうか。

今回の内容以外にもこのブログでは
これまでに多数のセンター試験対策になる情報を載せていますので
ぜひ参考にしてください。

それでは受験生の皆さん、風邪などひかぬように
最後の最後までできることをできる限り頑張ってくださいね。
応援しています。
がんばれ、受験生!




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Posted by ミーケン。 at 16:35│Comments(0)受験
 
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