2017年03月07日
塩析と凝析の違いって・・・
コロイド溶液について学習しているときの生徒達とのやり取りで、
塩析と凝析の違いを聞いてみると、
「コロイド溶液に多量の電解質加えて、沈殿させる操作を塩析といい、
コロイド溶液に少量の電解質を加えて、沈殿させる操作を凝析という。」
と答える生徒が多いのですが、これでは正しい答えとは言えません。
「多量」・「少量」という語句に注意が行き過ぎてしまっているために
よく起こるミスですが、そこを気にしすぎると、
そもそも多量、少量、ってどのくらいの量なのかな・・・?
という疑問が生じてわかりにくくなってしまいます。
まず注意すべきはそこではなく、沈殿させるコロイドの種類です。
正しくは、
「親水コロイドに多量の電解質を加えて、沈殿させる操作を塩析といい、
疎水コロイドに少量の電解質を加えて、沈殿させる操作を凝析という。」
と答えるのが正解です。
ようするに親水コロイドが沈殿するまで電解質を加える操作が塩析、
疎水コロイドが沈殿するまで電解質を加える操作を凝析ということです。
比較すると一般に疎水コロイドを沈殿させるのに必要な電解質の量より
親水コロイドを沈殿させるのに必要な電解質の量が多いため
「多量」「少量」という表現が使われているに過ぎないのです。
ではなぜ一般に親水コロイドと疎水コロイドに対して
それぞれを沈殿するのに必要な電解質の量が異なるのでしょう。
コロイド粒子はその粒子表面に正や負の同種の電荷を帯びており、
その電荷の反発力で水中に分散しています。
ここで、親水コロイドはその表面に多数の水分子を水和させていますが
疎水コロイドの表面はほとんど水和していません。
よってコロイド溶液に電解質が混入されると
親水コロイドの場合は、
まずコロイド表面にある多数の水分子が電解質のイオンの方へと
引き付けられることでコロイド粒子から引きはがされ、
さらにコロイド表面の電荷と反対符号の電解質イオンが
コロイド表面に付着し、電荷が中和され、コロイド同士が反発力を失って
集まり、沈殿してしまいます。
一方、疎水コロイドは表面に水和している水分子がほとんどないため
加える電解質はコロイド表面の電荷を中和する量だけでよく、
親水コロイドに比べ、少量の電解質で済む、ということになります。
問題によっては「多量」「少量」の表示がない場合もありますから
教科書に掲載されている親水コロイドと疎水コロイドの例を
しっかりと覚えて、塩析・凝析どちらの用語を当てはめるのかを
判断してくださいね。
沖縄では暖かい日も次第に増えてきて短い冬の終わりが感じられます。
季節の変わり目ですから体調の管理に気を付けてくださいね。
それでは今回はこの辺で。頑張れ!受験生!

塩析と凝析の違いを聞いてみると、
「コロイド溶液に多量の電解質加えて、沈殿させる操作を塩析といい、
コロイド溶液に少量の電解質を加えて、沈殿させる操作を凝析という。」
と答える生徒が多いのですが、これでは正しい答えとは言えません。
「多量」・「少量」という語句に注意が行き過ぎてしまっているために
よく起こるミスですが、そこを気にしすぎると、
そもそも多量、少量、ってどのくらいの量なのかな・・・?
という疑問が生じてわかりにくくなってしまいます。
まず注意すべきはそこではなく、沈殿させるコロイドの種類です。
正しくは、
「親水コロイドに多量の電解質を加えて、沈殿させる操作を塩析といい、
疎水コロイドに少量の電解質を加えて、沈殿させる操作を凝析という。」
と答えるのが正解です。
ようするに親水コロイドが沈殿するまで電解質を加える操作が塩析、
疎水コロイドが沈殿するまで電解質を加える操作を凝析ということです。
比較すると一般に疎水コロイドを沈殿させるのに必要な電解質の量より
親水コロイドを沈殿させるのに必要な電解質の量が多いため
「多量」「少量」という表現が使われているに過ぎないのです。
ではなぜ一般に親水コロイドと疎水コロイドに対して
それぞれを沈殿するのに必要な電解質の量が異なるのでしょう。
コロイド粒子はその粒子表面に正や負の同種の電荷を帯びており、
その電荷の反発力で水中に分散しています。
ここで、親水コロイドはその表面に多数の水分子を水和させていますが
疎水コロイドの表面はほとんど水和していません。
よってコロイド溶液に電解質が混入されると
親水コロイドの場合は、
まずコロイド表面にある多数の水分子が電解質のイオンの方へと
引き付けられることでコロイド粒子から引きはがされ、
さらにコロイド表面の電荷と反対符号の電解質イオンが
コロイド表面に付着し、電荷が中和され、コロイド同士が反発力を失って
集まり、沈殿してしまいます。
一方、疎水コロイドは表面に水和している水分子がほとんどないため
加える電解質はコロイド表面の電荷を中和する量だけでよく、
親水コロイドに比べ、少量の電解質で済む、ということになります。
問題によっては「多量」「少量」の表示がない場合もありますから
教科書に掲載されている親水コロイドと疎水コロイドの例を
しっかりと覚えて、塩析・凝析どちらの用語を当てはめるのかを
判断してくださいね。
沖縄では暖かい日も次第に増えてきて短い冬の終わりが感じられます。
季節の変わり目ですから体調の管理に気を付けてくださいね。
それでは今回はこの辺で。頑張れ!受験生!

Posted by ミーケン。 at 09:37│Comments(0)
│受験