2017年05月21日

ヨウ素でんぷん反応でちょっとしたイタズラを・・・

今回はちょっと息抜きを。

小・中学校でも耳にするし、高校化学の教科書では
天然高分子化合物の分野に記載されているヨウ素でんぷん反応。
有名な反応ですね。

大雑把に言うと、ヨウ素とデンプンが混ざると
鮮やかな青紫色を呈するという反応です。

ヨウ素はそれ自体では水に溶けにくいのですが、
ヨウ化物イオンが共存していると水に溶ける特徴があり、その状態だと
水溶液は褐色に染まっています。
一方、デンプン分子は、ヨウ素など通常の分子よりかなり大きく、
高分子化合物と言われる物質です。
デンプン分子の形状は、特定の構造が繰り返し連なって、
らせんを描きながらチューブのようになっています。

ヨウ素デンプン反応は、デンプンという高分子が持つ、
らせん型分子構造があるために起こる反応であると言えます。

デンプン分子が溶けている水溶液中にヨウ素分子が存在すると、
比較的小さなヨウ素分子が、分子間力によって大きなデンプン分子に
引き付けられ、らせん構造内部へとはまり込んでいきます。
このことが原因で光を吸収する波長が変化し、
溶液の色が鮮やかな青紫色に変化すると言われています。

前置きが長くなりましたが、ここでヨウ素デンプン反応を使った、
家庭でできるちょっとしたイタズラを紹介します。

風邪で病院に行くと、よく処方される、うがい薬。
うがい薬の中にはヨウ素が入っています。
(実際は単純に単体として入っているわけではないのですが、
ヨウ素が入っているためにうがい薬は褐色であると思って良いです。)

さて、イタズラの方法ですが、
パスタをゆでた後のゆで汁を台所のシンク全体に広げるようにして
流し捨てた後に、そのままシンクを洗わずに乾燥させます。
うっすらデンプンがこびりついて白く粉を吹いた状態になるので、
カンが鋭い人は、いつもと違うと感じに気が付き、警戒するでしょうが
上手くごまかしてください。

そこで風邪の予防だとかなんとか言って、
その状態のシンクで、うがい薬によるうがいを進めてみましょう。
褐色のうがい薬をお口でガラガラした後に、べっ、とシンクに吐き出すと・・・
まぁ、なんということでしょう。
口から吐き出したのは褐色の液体のはずなのに、
シンクには真っ青な液体が飛び散っているではありませんか!

一瞬、何を口から吐き出してしまったのか混乱して固まってしまいますよ。
お父さん、お母さんが目を丸くする顔を横から眺めて笑ってあげた後、
ネタばらしをしてあげましょう!

それでは今回はこの辺で。
イタズラではない風邪予防のうがいも忘れずに。
がんばれ、受験生。





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Posted by ミーケン。 at 17:26│Comments(0)化学の話
 
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