2017年08月04日

凍らせたスポーツドリンクの溶けはじめって味が濃い?

暑いこの時期の外出、目的地に着いた時に冷えた状態で
飲むための工夫として、スポーツドリンクを冷蔵庫で
凍らせておいたことはありませんか?

しかし、予想より早く目的地に到着してしまい、
スポーツドリンクがほとんど解けていない・・・。仕方なく全体が溶けるのを
待たずに、少しでも溶けたらすぐに口に運ぶ・・・。
そんな経験をした事がある人はけっこういるのでは?
私も学生の頃、同じ経験を何度もしました。

その、凍った状態から少しだけ溶けたスポーツドリンクの味が
いつもと違うことに疑問を持った人も多いのではないでしょうか。

なぜか溶け始めのヤツはいつもより濃い味になっていて、
最後の方に溶けるヤツは水のように薄い味になっているようだ・・・。
これって渇いたのどに最初に入っていくときが特においしく感じてしまう
といった感覚的なものなのか・・・。
それとも最初の方に溶けたヤツの味と最後の方に溶けたヤツの味が
実際に変わっているのか・・・。

この疑問は凝固点降下についての知識で説明できます。

純粋な物質の凝固点は一定で、水の凝固点は0℃です。
その水に、塩や砂糖などを溶解させた溶液は、純粋な水よりも凝固点が
若干低くなるのです。これを凝固点降下といいます。

簡単に理由を述べると、均等に混ざった溶液のまま凝固するのではなく、
まず水だけが凝固し始めます。その時、溶けている溶質の粒子が
邪魔になり凝固しにくいため、いつも以上に冷やさないといけない・・・
というイメージでOKです。
つまり水に砂糖や塩といった溶質粒子を溶かせば溶かすほど、
より高い濃度の溶液であればあるほど、
水の結晶化を邪魔する粒子が多く、凝固点が下がると言えます。

この効果を利用して、湿った道路表面の水が0℃で凝固してしまうのを
防ぐために塩化カルシウムなどの融雪剤を路面上に撒いて溶かし、
水の凝固点を下げ、0℃程度では路面が凍結しなくなる・・・
といった工夫もありますね。

話を戻して、
冷凍庫内で冷やされていくスポーツドリンクをイメージしてみましょう。

冷却されたスポーツドリンク内では、まず一部の水だけが先に凝固し、
氷になり始めます。その時にブドウ糖やその他色々な溶質は、
規則正しく結晶化していく氷の外へと押しのけられていきます。
そうして一部の水が結晶化したことで、残った液体部分の容積は減り、
溶質が押しのけられたてきたため、濃度は高くなっています。
よってその残った液体部分の凝固点はさらに低くなり、
さらに温度が低くなると、やはり水が先に凝固していく・・・
そうして最後に一番濃い溶液部分が凍ってしまいます。

最後に凍った部分が一番濃い溶液で、一番凝固点が低い部分である・・・。

つまり、温まって溶けていくときには、
一番最初に溶ける部分が一番濃い味の溶液である、ということが言えます。

よって、凍らせたスポーツドリンクの溶け始めの味が一番濃く、
最後の方に溶ける部分が薄い味になっている・・・というのは
思い込みなどではないのですね。

毎日暑い日々が続いています。冷たいものが美味しくて
ついつい食べ過ぎてしまいますが、あまり体を冷やしすぎるのは
夏バテの原因になります。気をつけてください。

それでは今回はこの辺で。
頑張れ、受験生!

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Posted by ミーケン。 at 20:03│Comments(1)受験
この記事へのコメント
 
Posted by   at 2021年11月22日 13:28
 
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